「全身脱毛」と検索すると、数万円から数十万円まで、桁がひとつ違う金額が並びます。同じ言葉なのに、なぜここまで差が出るのか。答えは単純で、「全身」に含まれる部位が店ごとに違うからです。
ヒゲとVIOが含まれているのか、うなじや手足の指は入るのか、コースは5回なのか8回なのか。この前提を揃えないまま金額だけを並べても、比較にはなりません。安いと思って契約したら、ヒゲとVIOは別料金だった。これは実際によくある話です。
この記事では、メンズ全身脱毛の費用相場を、医療脱毛とサロン脱毛に分けて整理します。そのうえで、総額を見誤らないためのチェック方法と、費用を抑えるための考え方までまとめます。
なお、契約に関するトラブルの相談窓口としては国民生活センターがあります。脱毛は高額かつ長期の契約になりやすいため、制度として消費者を守る仕組みがあることを知っておくと安心です。
まず「全身」の範囲を確認する
比較の出発点はここです。一般的に、全身脱毛のコースは次の3つのパターンに分かれます。
| タイプ | 含まれる範囲 | 価格帯の傾向 |
|---|---|---|
| 全身(ヒゲ・VIO除く) | 腕・脚・胸・腹・背中など | もっとも抑えめ |
| 全身+VIO | 上記にデリケートゾーンを追加 | 中間 |
| 全身+ヒゲ+VIO | 顔まわりを含むフルセット | もっとも高い |
ヒゲとVIOは太い毛が集まる部位で、照射に手間も回数もかかります。そのぶん料金にも反映されるため、この2つが含まれているかどうかが価格差の最大要因になります。

医療脱毛の費用相場
全身5回コースのレンジ
クリニックで受ける医療脱毛の場合、全身5回コースはおおむね20万円台から40万円前後に分布しています。ヒゲとVIOをすべて含むフルセットになると、30万円台後半に届くプランも珍しくありません。
具体例を挙げると、メンズリゼでは全身脱毛5回コースが229,800円と公式サイトに掲載されています(記事執筆時点)。同じクリニック内でも、ヒゲやVIOを加えたセットになると金額は上がります。価格は改定されることがあるため、検討する際は公式ページで最新の情報をご確認ください。
1回あたりに換算してみる
総額だけを見ると大きな数字に見えますが、5回で割ると1回あたりの金額が見えてきます。さらに施術時間で考えると、1回あたり数時間の施術に相当します。数字の見え方を変えると、判断がしやすくなることがあります。
月々払いの目安
多くのクリニックが医療ローンや分割払いに対応しています。月々の負担は1万円前後から2万円弱に収まるケースが多いようですが、分割手数料が加算されるため、総支払額は一括より増えます。「月々◯円」の表示だけで判断せず、支払い総額をしっかり確認しましょう。
サロン脱毛の費用相場
回数と総額
エステサロンで受ける光脱毛は、1回あたりの単価は医療脱毛より抑えめですが、出力が低いぶん回数を重ねる必要があります。結果として、5〜6回のセットで30万円台から、満足いくまで通う場合はさらに費用がかかることもあります。
通い放題プランという選択肢
サロンには期間内であれば回数無制限というプランが用意されていることがあります。回数を気にせず通えるのは利点ですが、有効期限と予約の取りやすさが実質的な価値を左右します。期限内に何回通えるかを、予約状況とあわせて確認しておきましょう。
医療とサロン、どちらが安いのか
1回あたりの単価はサロンのほうが低い傾向にあります。ただし必要な回数が増えるため、目指す状態によっては総額が逆転することもあります。「1回いくら」ではなく「終わるまでにいくら」で考えるのが、失敗しない見方です。
比較のときは3つを揃える。①含まれる部位(ヒゲ・VIOの有無) ②回数 ③追加費用(麻酔・シェービング・キャンセル料)。この3つが揃っていない比較表は、参考程度にとどめてください。

コース料金以外にかかるお金
ここを見落とすと、想定より数万円ふくらむことがあります。
| 項目 | 目安と注意点 |
|---|---|
| 麻酔代 | 1回あたり数千円かかる場合がある。無料のところもある |
| シェービング代 | 剃り残しがある部位のみ有料、という設定が多い |
| 初診料・再診料 | 無料のクリニックが増えているが要確認 |
| 薬代 | 肌トラブル時の外用薬。無料対応の場合もある |
| キャンセル料 | 締め切りを過ぎると1回消化扱いになることがある |
| 追加照射 | コース終了後の1回あたり料金。ここが安いと後がラク |
とくに背中は自分で剃るのがほぼ不可能な部位です。背中のシェービングが無料か有料かは、全身脱毛では地味に効いてくる差になります。
部位ごとに契約する場合との比較
全身セットではなく、気になる部位だけを個別に契約するという選び方もあります。どちらが得かは、対象部位がいくつあるかで変わります。
| 選び方 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 部位別に契約 | 気になる箇所が1〜2か所だけの人 | あとから足すと割高になりやすい |
| セットプラン | 3か所以上が気になる人 | 不要な部位も含まれる場合がある |
| 全身プラン | 全体的に毛量を減らしたい人 | 総額が大きくなる |
実際には、腕とすねだけのつもりで始めたものの、そのうち胸や腹も気になってきて追加契約、という流れになる方が一定数います。最初から範囲を広めに設計したほうが、結果的に総額が抑えられるケースもあるということです。
男性で人気の部位
男性が最初に脱毛を検討する部位としては、ヒゲ、すね、腕、脇、そしてVIOが多く挙がります。スーツの袖口から出る腕の毛、半袖の季節の脇、スポーツウェアから見えるすね。日常で人の目に触れやすい場所ほど、優先順位が上がるのは自然なことです。
途中で範囲を広げられるか
契約後に部位を追加できるか、追加時の料金はどうなるかも、事前に聞いておきたいポイントです。同じ院で追加すると割引が効く場合もあれば、別コースの契約になる場合もあります。追加時の条件まで確認しておくと、後から慌てずに済みます。
費用を抑えるための考え方
1.必要な部位だけを選ぶ
全身と名がついていても、実際に気になるのは上半身だけ、という方もいます。部位を選べるセットプランを用意しているところもあるため、「本当に全身が必要か」をいちど整理してみてください。
2.学割・乗り換え割などを確認する
学生向けの割引や、他院からの乗り換え割、ペア割などが用意されている場合があります。適用条件があるので、カウンセリングで自分が該当するか聞いてみましょう。
3.平日限定プランを検討する
時間帯や曜日を限定することで料金が下がるプランがあります。平日の昼間に通える方であれば、選択肢として検討する価値があります。ただし予約の自由度は下がるため、生活リズムと相談してください。
4.支払い方法を見直す
分割手数料は総額に効いてきます。一括で払えるなら一括、難しければ手数料の低い方法を選ぶ。この違いだけで数万円変わることもあります。
5.追加照射の単価で選ぶ
コースが終わっても満足しなかった場合、追加で照射することになります。この1回あたりの料金が高いところを選ぶと、後半で費用がふくらみます。長い目で見るなら、ここを重視するのもひとつの判断です。
回数の目安と期間
男性の全身脱毛では、自己処理がラクになるまでに5回前後、さらに減らしたい場合は追加で通うという流れが一般的です。ただし毛量や毛質、目指す状態によって必要回数は大きく変わり、回数を断定することはできません。効果の感じ方には個人差があります。
通う間隔は1〜2か月おきが目安です。5回のコースであれば、半年から1年程度をイメージしておくと予定が立てやすくなります。
施術に向けて用意しておきたいもの
自己処理の道具
全身となると、事前のシェービング範囲もかなり広くなります。カミソリで全身を処理するのは負担が大きいので、ボディ用の防水電動シェーバーを1台用意しておくと作業がぐっとラクになります。背中用に、柄の長いボディシェーバーがあると、届かない範囲を自分である程度処理できます。
照射後の保湿
照射後の肌は乾燥しやすくなります。全身に塗ることになるため、大容量のポンプ式ボディローションや無香料の低刺激ボディクリームがあると続けやすいでしょう。顔まわりを含む場合は、アルコールフリーの化粧水も合わせて用意しておくと安心です。
日焼け対策
期間中は強い日焼けを避けるよう案内されます。屋外での仕事やスポーツをする方は、SPF50前後のボディ用日焼け止めと、UVカット機能のあるアームカバーがあると、生活を変えずに対策できます。
高額な契約になるため、その場での即決を求められても、いったん持ち帰る判断をおすすめします。中途解約の条件と返金の計算方法は、契約前に書面で確認してください。広告表示のルールについては消費者庁が情報を公開しています。

契約前のチェックリスト
- コースに含まれる部位を、書面で一覧確認したか
- ヒゲ・VIOが含まれるか、別料金か
- 回数と有効期限はどうなっているか
- 麻酔代・シェービング代・薬代の扱い
- コース終了後の追加照射の単価
- キャンセル・予約変更の締め切りと扱い
- 中途解約時の返金計算
- 院の移動や休止ができるか
- 分割払いの総支払額と手数料
この9項目をメモして持っていくだけで、カウンセリングの精度が変わります。答えを濁されたら要注意という判断材料にもなります。
よくある質問
Q1.結局いくら見ておけばいいですか?
ヒゲとVIOを除く全身の医療脱毛5回なら20万円台から、フルセットなら30万円台以上が目安です。そこに麻酔代やシェービング代を上乗せして考えておくと、想定から大きく外れにくくなります。
Q2.医療とサロン、どちらを選ぶべきですか?
通う回数を抑えたい、麻酔を使いたいという方は医療脱毛、痛みが苦手で少しずつ進めたい方はサロンという分け方が分かりやすいです。目指す仕上がりによっても変わります。
Q3.一括で払えない場合はどうすればいいですか?
医療ローンや分割払いが用意されています。ただし手数料が発生するため、総支払額を確認したうえで、無理のない月額に設定してください。
Q4.途中でやめることはできますか?
多くの場合、中途解約の制度があります。ただし返金額の計算方法はクリニックによって異なるため、契約前に書面で確認しておくことが大切です。
Q5.全身脱毛にヒゲは含まれますか?
含まれないプランが多数派です。ヒゲは別コース、または追加オプションという扱いが一般的なので、事前に確認してください。
Q6.期間中にできない生活習慣はありますか?
強い日焼けは避けるよう案内されるのが一般的です。また照射直後は激しい運動や飲酒、長時間の入浴を控えるよう指示されることがあります。
Q7.どのくらいの頻度で通いますか?
1〜2か月に1回程度が目安です。毛の生え変わりの周期に合わせるため、続けて通っても効率は上がりません。
Q8.安いプランには何か理由がありますか?
照射範囲が狭い、時間帯が限定されている、麻酔やシェービングが有料、といった条件がついていることがあります。安い理由が説明できるかどうかを確認すれば、判断を誤りにくくなります。
まとめ
メンズ全身脱毛の費用を見誤らないための要点をまとめます。
- 「全身」の範囲はプランによって違う。ヒゲとVIOの有無を最初に確認する
- 医療脱毛の全身5回はおおむね20万円台から40万円前後
- サロンは1回単価が低いぶん、回数が必要になりやすい
- 比較は「部位・回数・追加費用」を揃えてから行う
- 麻酔代とシェービング代は総額に効いてくる
- 分割払いは総支払額で判断する
金額の大きな買い物だからこそ、広告の数字ではなく自分に必要な範囲の総額で判断することが大切です。まずは気になるところを2〜3院、無料カウンセリングで並べて聞いてみるところから始めてみてください。

